研究テーマ例

位置情報ビッグデータを用いたモビリティ環境評価

近年コンパクトシティへの注目が高まっています。 コンパクトシティの実現は自動車依存の減少やそれに伴う市民の歩行促進による健康増進など様々な良い効果をもたらします。 しかしその実現には、歩きやすさを数値化する必要があります。 本研究では、GNSS (Global Navigation Satellite System) で取得した位置情報データを収集して構築されたビッグデータを分析することで「都市環境の歩きやすさ」を直接評価する基盤を構築しています。

図:位置情報ビッグデータを用いたモビリティ環境評価のイメージ
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位置情報ビッグデータを用いた新たな観光スポット候補抽出

日本は観光立国の実現に向けて様々な観光施策を行う一方、特定の観光地周辺への観光客の集中や,観光資源の未活用や未発見という課題があります。 また、観光支援に繋がる既存研究には既知の観光スポットの推薦や旅行経路の提案などがありますが、実効性をより向上させるには多様な観光スポット情報が必要です。 本研究では、GNSS (Global Navigation Satellite System) で取得した位置情報データを収集して構築されたビッグデータを分析することで「新たな観光スポット候補」の抽出を試みています。

図:位置情報ビッグデータを用いた新たな観光スポット候補抽出のイメージ
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施設利用者をピークシフトに自然と誘導するシステム

少子化・超高齢化の進んだ我が国では、国内の生産活動を中心となって支える生産年齢人口比率が減少の一途を辿っています。 そのため、増加し続ける高齢者層に対する様々な支援(介護、送迎など)を少ない生産年齢者層が担わなくてはならず、生産年齢者層が本来行うべき生産活動への影響が懸念されます。 本研究開発では、生産年齢人口比率がさらに低下する将来を見据えて、利用者の需要が集中しやすい施設を対象として、時間的かつ空間的なピークシフトに自然と誘導できるようなシステムを実現します。本システムにより、利用者側の需要を分散させることで、スタッフ配置の最適化・経費削減に加えて、ピーク需要に合わせた施設側への多大な設備投資(建造物、設置機器など)の削減、さらには我が国の抱える問題の一つであるサステナビリティ(持続可能性)の向上を目指しています。

図:施設利用者をピークシフトに自然と誘導するシステムのイメージ


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自転車のための安全運転支援情報システム

自転車安全運転支援情報システムの実現に向けて、違反・危険運転である「逆走」「歩道走行」を検出しています。 これまでに、画像セグメンテーションによる方法、物体認識による方法を検討しました。 また、違反・危険運転の検出結果を運転者に分かりやすく提示する方法の検討、および、効果検証を行っています。

図:自転車走行方向識別のイメージ
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交通法規を遵守した自転車用ナビゲーションシステム

自転車の交通法規を遵守することで最短経路以外を案内する新しい自転車用ナビゲーションシステムの効果について検証しています。 例えば、さいたま市内のシェアサイクルの主要なポート間を移動した場合、移動距離の増加は96%以上の経路で1.3倍以内になることが分かりました。

図:右側通行(交通ルール違反)を含む経路計算結果の例(移動距離=598m)
図:左側通行のみ(交通ルール遵守)の経路計算結果の例(移動距離=776m)
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提供情報が従来と異なる新しいナビゲーションシステム

回遊情報を含む歩行者ナビゲーションシステム、自転車+鉄道によるシームレスな移動のためのナビゲーションシステム、待ち時間の有効活用を目指した観光プランニング・ナビゲーションシステム など、提供情報が従来と異なる新しいナビゲーションシステムに関する研究を行っています。

図:回遊情報を含む歩行者ナビゲーションシステム
図:自転車+鉄道によるシームレスな移動のためのナビゲーションシステム
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電波の往復時間を利用した距離測定・位置特定

2016年にIEEE 802.11mcとして標準化された、無線LAN(Wi-Fi)電波の往復時間を利用した距離測定・位置特定の性能評価、性能向上のためのアクセスポイント選択方法などについて検討しています。

図:Wi-Fi RTTの基本原理
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スマートフォン位置特定サブプラットフォームの高度化

スマートフォンでは、GPS、無線LAN(Wi-Fi)、Bluetoothなど、様々な位置特定サブシステムが利用可能です。 しかし、あらゆる環境で正確かつ高精度な位置特定を単独の位置特定サブシステムで実現するのは困難です。 そこで、スマートフォンがプラットフォーム構造であること、様々な位置特定サブシステムが利用できることを活かし、既存の位置特定サブシステム、および、新たな位置特定サブシステム(カメラとマーカを使った地面ベースの位置特定手法など)を適材適所で効果的に利用するために「スマートフォン位置特定サブプラットフォーム」の高度化を進めています。


具体的には、
  • 既存の位置特定サブシステムの性能評価
  • 既存の位置特定サブシステムの性能改善
  • 新たな位置特定サブシステムの提案
など...
図:スマートフォンプラットフォーム
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複数のデバイスが協調動作する歩行者ナビゲーションシステム

モバイル機器(スマートフォン)、インフラ設置機器(キオスク端末)、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ)を協調動作させた歩行者ナビゲーションシステムにより、移動の効率化や安全性向上を目指しています。

図:複数のデバイスが協調動作する歩行者ナビゲーションシステムのイメージ
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歩行者ナビゲーションコンセプトリファレンスモデル

歩行者ナビゲーションシステムの標準化や新たな研究開発を効率的に進めるためのフレームワークとして「歩行者ナビゲーションコンセプトリファレンスモデル」を提案し、歩行者ナビゲーションシステムに対する考え方を示唆しています。

図:歩行者ナビゲーションコンセプトリファレンスの全体像

また、本モデルの実用化に向けた1つのアプローチとして、目的・基本アルゴリズムは同じだが、実現方法の異なる三種の歩行者ナビゲーションシステム(端末処理型、メールサーバ処理型、ウェブサーバ処理型)の比較検討のための解析ツールとして本モデルを用いることで、実現方式の違いによって生じる各システムの特徴の比較を明示的に行い、さらに、モバイル機器を用いた歩行者ナビゲーションシステムの研究開発を進める上での知見をまとめています。


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初めて訪れた場所や不慣れな場所で人が「どっちに行ったらいいのだろう?」と悩んだ時に、理解や解釈を必要としない直感的な道案内を行う歩行者ナビゲーション環境の実現を目指しています。


具体的には、
  • モバイル機器(スマートフォンやフィーチャーフォン)を使ったシステム
  • キオスク型端末を使ったシステム
など...
図:直感的な歩行者ナビゲーション環境のイメージ
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SVプローブデータの収集・解析基盤、SV用ナビゲーションシステム

超小型な低速車両(Slow Vehicle; SV) の普及・社会定着に必要な要件の一つとして挙げられる「SVが安全かつスムーズに走行できる環境の実現」に向けて、SVの走行実績からそれらの知見を獲得するためのツールとして「SVプローブデータの収集・解析基盤」を構築しています。

また、このSVプローブデータの収集・解析基盤の利用例として、SV用ナビゲーションシステムの実現に向けて、走行実績からSVにとって走りやすい経路を提供するための「リンク重み計算」に関する研究も行っています。

図:プローブデータ収集基盤
図:プローブデータ解析例
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【過去に取り組んでいた研究テーマ】災害時人命救助情報システム「命綱」

2011年3月11日に発生した東日本大震災における移動体通信系通信インフラの被害状況に鑑みて、大ゾーン方式基地局の設置、基地局の無停電化・バッテリによる24時間化、気球無線中継システムの技術開発、伝送路の多ルート化などが進められており、今後、災害発生直後24時間であれば通信速度に制限はあるものの、通信を確保できる見通しが立っています。 一方、災害初動時において効率的な救助活動を行うためには、要救助者が発信する救難信号、救助隊(捜索先発部隊)が発信する被災状況の収集・蓄積を効率的に行う必要があります。 そこで、災害時に必要とされる情報の収集・蓄積を行う「災害時人命救助情報システム『命綱』」を構築し、スケーラビリティ評価、社会普及に向けた検討を進めています。

図:災害時人命救助情報システム「命綱」
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